コンクール嫌い!?

みなさんこんにちは♪ 千色を奏でるピアニスト 藤谷奈穂美です。

フェイスブックやブログには、ネガティブな投稿や意見は避けているのですが、今日はちょっと本音でお話ししちゃいます😆

 

皆さんがよく聞かれる「コンクール」。音楽コンクール、国際コンクール。色んなカテゴリーで様々なコンクールが世界中で開催されています。

世界的なピアニストになるための登竜門とも言えるのが、ショパン国際コンクール、チコフスキー国際コンクール、エリザベート国際コンクール 他にも多数ありますが、これらは超有名なコンクールです。

日本でも英才教育を受けている若いピアニストたちは、必死でコンクール入賞を狙い、そのために一生懸命朝から晩まで練習している訳です。

私もイタリアで学生をしていた頃は、いくつかの国際コンクールを受けました。何度か入賞もしていますが、優勝したことはありません。 ついでに言うと、小さい頃から日本国内でもそんなにコンクールを受けてきていません。なので「コンクール慣れ」していませんでした。

留学して間もない頃、北イタリアに国際コンクールを受けに行きました。先生に「これ受けてみたら?」と勧められ、一人で知らない街へ行ったのです。そこがどんな街なのかもわからず、学校の人に調べてもらいながらとりあえず宿を取ったり、「ここまで列車で行きなさい。そこからはわからない」と言われ、恐ろしいほど楽観的な私は「まあ、なんとかなるだろう」と目的地へ向かいました(今なら絶対にしない・・・笑)。 スマホなんて存在していなかった頃です。

列車を降りて駅の人に「ここへ行きたい」と言うと「あのバスだよ!」と教えてくれて、無事に目的地に着きました。

ヴィットリア・カッファ・リゲッティ国際コンクール。

小さな街で開かれましたが、結構参加者がいて驚いたのを記憶しています。「こんな所に誰が審査に来るのだろう」なんて思ったりもしていました。

予選と本選だけの小さな国際コンクールでしたが審査が厳しく、30人くらいいた中から本選に残ったのは私を含めて確か4人。

練習室があるのですが、時間を過ぎても出て行ってくれない受験者とか、キリキリした空気が張り詰めていていつも嫌でした。こっちが笑顔で挨拶しても「ふん!」みたいな人とか・・・・。「ひぃ。。。。怖い。。。」

いつもコンクールの空気はこんな感じでした。 キリキリパリパリ。

そのときはそれなりの演奏ができたのを記憶していますが、コンクールでまともな演奏というのはとてつもなく大変なことです。 あの張り詰めた恐ろしい雰囲気の中で、どうやって良い演奏をすれと言うのか。 普通の精神状態ではありません。まさに「戦場」です。。。

 

何度か受けているうちに(年を取ってから)わかったことは、「コンクールというのは、子供のときから受けまくって、強い精神を鍛えなければ勝てない。それか、とんでもない天才か」ということです。

まず、「絶対に間違わない」。 これができれば、審査員も落とす訳にはいかないのです。

なので、いくら音楽的で美しく演奏しても、ちょっとでもミスをすると減点される訳です。

 

話を戻すと、このコンクールでは私は2位に入賞しました。1位はロシア人の女の子で、入賞者コンサートで

「おめでとう!」と声をかけたら「ふん!」という表情。ほぼ、無視。

こ、怖い・・・・・。もう終わったのに・・・。 なぜ、無視・・・・・?😆

彼女にとって、他のピアニストは永遠に「敵」なのだろうか。

 

留学中に出会った日本人のピアニストでも居ました。しかもコンクールじゃなくてコンサートなのに。

「他の演奏者に賛辞を言えないピアニスト」。 イタリア人の子たちも結構びっくりしてました。私に「何かあったの?」なんて聞いてきたりして・・・。 「はて。」ととぼけてたのを覚えています(笑)

戦わなければいけないのはわかります。でも、仲間に賛辞を送れないのは悲しいことだよな〜といつも思っていました。 (コンサートは戦いじゃないんだけどなぁ。。。)

 

コンクールに勝ちまくるピアニストというのは、並大抵の精神の強さではないのです。

 

年齢を重ねるにつれて、コンクールを受けても50%、いや30%くらいしか実力を発揮できなくなりました。

先生によく「君が入賞しないなんて、おかしいね。審査員の耳がおかしいんじゃないのかい?」なんて言われたものです。

私は落ち着いてこう答えていました。「あの雰囲気に精神がボロボロにやられるんです (涙)」と・・・。

 

これは自慢ではなく本当の話(コンクールでまともに演奏できなかった自分への慰め 笑)で、留学中に受けた講習会ではいつも「君が一番だから、受講者コンサートは君がトリだよ」と、コンサートを締めくくっていました。

ドイツの講習会でも、毎晩のようにあったコンサートでベートーヴェンの「テンペスト」を演奏したら、なんとスタンディングオベーション! こっちがびっくりでした。そのときレッスンを受けていたクロアチア人の先生に「ほらね?君だけだろ?言っただろ?才能あるって。」と言われたり、その講習会のファイナルコンサートでもトリを務めたり、先生の奥様にも「あなたみたいなピアニストはブゾーニ国際コンクール行かなきゃ!」と言われたり。 いや・・・。そんな大きなコンクール、無理です、っていつも思っていました。

そのうち年齢制限もありで、コンクールを受けるのは止めたのです。

同じ門下生に怒られそうだけれど、「君みたいに弾けるピアニストはいないからね。こんな耳のいい生徒は初めてだ」と、何度も言われていました。 そりゃあ、大巨匠の先生に褒められてウキウキでしたよ。

でも、コンクールはダメ。

怖い。

 

それでも戦っていたら、いつか大きなコンクールで勝っていただろうか。 と、思っていた頃には30近くなっていたのです。

 

 

大きなコンクールを受けたことは無かったけれど、それでも今もピアノを続けています。

世の中には若くして、大きなコンクールで入賞して、脚光を浴びて消えていくピアニストもたくさんいます。

 

アルゲリッチのように、ソロ・リサイタルを40代で止めてしまったピアニストもいます(ピアノ協奏曲は演奏されていますが)。彼女の演奏は神業ですが🌟

 

ピアニストは色々です。

 

私は「戦う演奏」より「心に届く演奏」を続けていきたいと思っています。た〜〜〜っぷりの愛を込めて❤️

 

勝てなかった私の、言い訳に聞こえるかしら?😆

 

でも、続けることが何よりも大事だと本当に思うんです。間違わない演奏よりも、人に感動を与える演奏。

 

イタリアの先生達から学んだ大切なことを、少しずつ日本のみなさんにも届けていきたいです。

 

 

さて。コンクールで勝ちたいちびっこのみなさん。 もし居たら、ガンガン受けまくってください😆

でも、それは「周りのピアニスト」との戦いではなく「自分との戦い」そして挑んでくださいね🎶

 

 

ciao ciao ❤️

 

 

 

 

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